先日、倫理法人会の講話でとても印象的な言葉を耳にしました。
講師の方はこうおっしゃっていました。
「私はテイカーではなく、ギバーでありたい。」
さらに、別の方はこう続けました。
「私が事業で成功できたのは、相手を徹底的に褒めるようにしたからです。」
「褒めること」――これは確かに、形あるものを与えるわけではありません。
しかし、**心を与える立派な“ギフト”**だと改めて気づかされました。
与えることの難しさと、「褒めること」の第一歩
正直なところ、私はこれまで「与える」ということをあまり意識してきませんでした。
どちらかといえば「もらう」ほうが好きだったし、与えるにはお金や手間がかかると思っていたのです。
しかし、人生がどこか**「パッとしない」**と感じていた理由の一つは、
**「誰かのために汗をかいてこなかったこと」**かもしれない……。
最近、そんなふうに思い始めています。
そんな私にとって「褒める」という行為は、とても取り組みやすい**“ギバー”としての第一歩**。
しかも「褒める」ことは相手に喜ばれることが多く、ほとんどコストもかかりません。
目上の人を褒めるのは難しい?
とはいえ、「目上の人を褒める」となると難しく感じてしまうもの。
ですが、いくつかの工夫をすれば、自然に、かつ相手の心に届く褒め方ができます。
1. 感謝+観察
「〇〇さんの話、すごく分かりやすかったです。僕も見習いたいです。」
→ 単なるお世辞ではなく、具体的な観察を入れることで「ちゃんと見ていた」という信頼感が伝わります。
2. 影響を伝える
「〇〇さんの話を聞いて、僕も〇〇を始めてみました。」
→ 相手にとってこれほど嬉しい言葉はありません。**「自分の言葉が誰かを動かした」**というのは何よりの喜びです。
3. 周囲の声を伝える
「他の方も『〇〇さんの話、分かりやすかった』って言ってましたよ。」
→ 第三者の声を借りることで、相手も素直に受け取りやすくなります。
「いい話だった」で終わらせないために
講師の方がこんなこともおっしゃっていました。
「多くの人は“いい話だった”で終わってしまい、行動に移さない。」
たしかに、気づきを得てもそれを行動に変えるのは難しいこと。
しかし、誰かの言葉をきっかけに行動したとき、その人に「影響を受けて行動しました」と伝えること。
それ自体が、最高のフィードバックであり、“与える”行為になるのだと思います。
まとめ:行動を通じて「与える人」へ
私自身、これからは**「褒めること」「影響を伝えること」**を少しずつ実践してみようと思います。
そして、気づきを行動につなげていくことで、自分の人生をより良い方向に動かしていきたい。
「与える人」であること――それは、特別な才能や大きな資源がなくても今すぐ始められる生き方なのです。