行政書士として開業して迎える最初の大きな山場――それは「帳簿作成」と「確定申告」です。開業3ヶ月目を迎え、売上はまだ微々たるものですが、経費はそこそこかかっているので、一度この辺で帳簿をつけておこうと思いました。
私は簿記3級を持っているものの、知識はすでにほとんど忘れており、しかも税理士には依頼せず「自分でやってみよう」と決めました。今回はその記録を「気づき編」と「実務ノウハウ編」に分けてまとめます。
気づき編:初めて帳簿をつけてわかったこと
1.仕訳の壁
20年間公務員として働いていたため、仕訳自体が初めての経験で、貸方・借方の勘定科目を選ぶ作業に苦戦しました。
実際の入力では「これで合っているのか?」と不安になり、最初の1〜2時間はなかなか前に進みませんでした。
2.未払金の存在感
事業経費はなるべくクレジットカード決済にしていますが、家計と混在しているため整理が大変。
仕訳帳を見ると貸方に「未払金」がズラリと並び、正直焦りました。
クレジット利用時は「未払金」で記録され、毎月末の引き落としでまとめて消し込む、という流れを理解するのに少し時間がかかりました。
3.「開業費」という勘定科目
今回大きな発見だったのが「開業費」です。
開業前に支出した経費――行政書士登録費用や事務所の備品購入など――は、開業費として資産計上できます。
そして後年に「開業償却費」として少しずつ経費に落とせるのです。
「開業前の支出は経費にならないのでは」と思っていた私にとって、この仕組みを知ったのは大きな収穫でした。
実務ノウハウ編:どう帳簿作成を進めるか
利用しているツール
私が選んだのはマネーフォワードクラウド(パーソナルミニプラン/月980円)。
特に以下の3つの機能を重視しています。
- 確定申告書類の作成(青色対応)
- 確定申告書類の提出(電子申告)
- 銀行・クレジット明細の自動取込
工夫していること
- 経費はなるべくクレジット払い
→ 自動取込を活かして仕訳作業を減らす。 - 毎月少しずつ処理
→ 年末にまとめてやると絶対に破綻するので、空き時間にこまめに仕訳。 - サポートの活用
→ 操作に迷ったらメール/チャットサポートに質問。 - 開業費の整理
→ 開業前の支出も記録しておき、後年の償却に備える。
今後の目標
私は青色申告特別控除を受けながら、来年の確定申告を「自分の力」で乗り越えたいと思っています。
もちろん本業の行政書士業務に支障をきたしては本末転倒ですから、効率重視で「さっと帳簿をつける」を合言葉にしています。
まとめ
- 仕訳は最初は戸惑うが、続けるうちに必ず慣れていく。
- クレジット仕訳は「未払金」で処理し、月末にまとめて消し込む。
- 開業前の支出は「開業費」として計上し、将来の経費参入に活用できる。
- マネーフォワードクラウドを使えば、初心者でも青色申告が現実的に可能。
「税理士なしでも、青色申告はできる」
その手応えをつかみつつあります。来年の確定申告に向けて、引き続き挑戦していきます。
👉 この体験記が、これから開業される方や同じように「経理初心者」で帳簿作成に不安を抱えている方の参考になれば幸いです。






