🏗 はじめに
建設業許可の申請にあたって、専任技術者(専技)の選任は避けて通れません。
予定者が国家資格を持っていない場合、「実務経験」で証明する方法がありますが、ここでよくあるのがこんな質問です。
「専技予定者はA業種とB業種、2業種で申請予定ですが、同じ10年間の経験で両方証明できますか?」
答えは——できません。
本記事では、実務経験証明における「重複不可」のルールについて解説します。
✅ 実務経験の基本ルール
国家資格がない場合、次のような基準で専任技術者の要件を証明します:
| 区分 | 実務経験の年数 |
|---|---|
| 指定学科なし | 10年以上 |
| 指定学科卒(大学) | 3年以上 |
| 指定学科卒(高校) | 5年以上 |
⚠ 2業種申請での落とし穴:「重複不可」の原則
実際の現場では、A業種とB業種の工事を同時に行うことはよくあることです。
しかし、建設業許可の審査では——
同じ期間を複数業種の経験年数として重複申請することはできません。
例えば:
- A業種:内装工事
- B業種:とび・土工工事
- 実務経験:平成25年〜令和5年の10年間
➡ この10年をA業種とB業種両方に使うことはNGです。
📌 では、どうすればいいのか?
2業種を同時に申請したい場合には、重複しない実務経験をそれぞれ用意する必要があります。
| 業種 | 経験期間 | 必要年数 |
|---|---|---|
| A業種(内装) | 平成15年〜平成25年 | 10年 |
| B業種(とび・土工) | 平成25年〜令和5年 | 10年 |
➡ 合計20年の実務経験が必要になります。
💬 相談現場からのアドバイス
「えっ、2業種で20年!? ハードル高すぎませんか…」
その通りです。
実務経験で複数業種を申請するのは非常に難易度が高いため、以下の対策も検討しましょう:
- 国家資格の取得(実務年数が短くても証明可能)
- まずは一業種のみで申請し、あとから追加取得する
- 指定学科の卒業証明があるかを再確認する
✨まとめ
- 専任技術者の実務経験は業種ごとに重複申請できない
- 2業種申請するにはそれぞれ10年=合計20年の経験証明が必要
- 難易度が高いので、一業種ずつ取得→将来的な業種追加も視野に入れよう
📣 実務経験での専任技術者証明に不安がある方は、ぜひ行政書士にご相談ください。
必要書類や証明内容について、事前確認からしっかりサポートいたします!






