こんにちは、現役公務員のシンです。
僕は今年度末で市役所を退職し、来年から行政書士として独立する予定です。
退職まで残り半年となった今、自分の気持ちを素直に書き留めておこうと思います。
まず感じるのは「感謝」
約20年前、就職氷河期の真っ只中に市役所に採用されました。
結婚やマイホーム購入、そして3人の子どもにも恵まれ、経済的にも安定した日々を送ることができたのは、この職場のおかげです。
本当にありがたい20年間でした。
そして「申し訳なさ」もある
僕が少しイレギュラーなタイミングで退職することで、職場の方々に迷惑をかけてしまうことには正直、申し訳なさも感じています。
実はずっと、劣等感と向き合ってきた
役所という組織は、どうしてもピラミッド型の構造です。
出世や評価がはっきり見える中で、自分は「できない人間」だと感じていました。
優秀な同僚と自分を比べては落ち込む。
それが、次第に自分の人生そのもの、自分自身の価値までも否定されているような感覚になっていってしまいました。
そんなふうに思ってしまう方は、きっと僕だけではないと思います。
もし今、仕事に劣等感を感じている方がいたら伝えたいのです。
「あなたが感じているその悩みは、決してあなただけのものじゃないよ」と。
仕事は、あなたの“全部”じゃない
僕は、仕事に自分のアイデンティティのすべてを預けてしまっていました。
だから、うまくいかないときは苦しかった。
でも今はこう思います。
仕事は、自分という人間の一部を社会に提供しているだけ。
だから、仕事でうまくいかなくても、自分自身のすべてが否定されるわけじゃない。
そう考えると、少し心が軽くなります。
この考え方が、誰かの心を少しでもラクにする助けになればうれしいです。
もしそれでも前に進もうと思ったら
そんな僕でも「次の道に進みたい」と思ったとき、いろんな準備をしてきました。
まず心の在り方を見直そうと、倫理法人会という経営者の勉強会に参加しました。
仕事自体は変わらなくても、心の持ち方次第で捉え方が変わると気づきました。
そして、競争のないフラットな人間関係や、社会には公務員の世界以外にも広い世界があることを実感できたのは大きかったです。
同時に、お金の準備も必要でした。
自分はファイナンシャルプランナーの資格を取り、固定費の見直しや投資信託による資産形成を続けてきました。
結果として、ある程度の経済的な安心を得ることができました。
そして、夫婦間の信頼と共有。
家計の状況をオープンにし、お互いの理解と安心感を築いてきたことが、退職を現実的にした大きな要因だと思っています。
それでも迷っているあなたへ
今の職場でもう少し頑張ってみるか、それとも次のステージに進むか。
その選択に正解はないし、簡単に答えは出ません。
でも、ひとつだけ言えるのは――
あなたが自分の人生を真剣に考えているということ自体が、もう素晴らしいことなんです。
最後に
今回、退職の手続きがスムーズに進んでいるのは、理解ある上司のおかげです。
自分のわがままに耳を傾けてくださり、否定せずに尊重してくれたその姿勢に、心から感謝しています。
劣等感を抱えることもある。うまくいかないこともある。
でも、あなたの価値は決してそんなことで決まるものじゃない。
そして、もし新しい道を選ぶなら、僕は心から応援します。
同じような思いを抱える誰かの、小さな勇気のきっかけになりますように。