行政書士として開業して4ヶ月。先輩行政書士との協業を通じて、少しずつ実務を経験させていただいています。ただ、いまだに自力での集客ができていません。
それもこれも、すべては僕のマーケティング力の無さが原因だと感じています。先日、「ファネル」という言葉を知ったことをきっかけに、これまで自分が築いてきた人脈の中に、どれほど“信頼を伴う関係”が少なかったかを痛感しました。
名刺交換とFacebookの「つながり」では足りない
異業種交流会などで多くの方と名刺交換し、Facebookでつながっている。けれど、そこから仕事に結びつかないのは当然のことだったのです。
相手にとって、僕は「ただの知り合い」にすぎなかったのだと思います。
これからは、信頼関係を築くためのアクションを一つずつ起こしていく必要があります。そこで、異業種交流会で出会った造園業の社長さんに、思い切って「飲みに行きませんか」とお誘いしました。勇気を出して一歩踏み出した、そんな夜の話です。
当日の朝からソワソワ
その社長さんは、造園業経営が30年近い、すご腕社長。普段から温厚で人望のある方ですが、マンツーマンで飲むのは初めて。
当日の朝から、ソワソワと落ち着かない自分がいました。
日中、社長の会社ホームページを拝見し、理念や施工例を読んでおきました。事前に社長の思いを感じておくことで、話の方向性や距離感がつかみやすくなりました。
施工写真を見ながら「この現場はどんな苦労があったのですか?」と尋ねると、社長の表情が和らいだのを覚えています。
ビール片手に、経営の本音
美味しい刺身をいただけるお店で、ビールを飲みながらゆっくりと話が進みました。
印象に残ったのは、社長のこの一言です。
(理屈としては)行政書士に報酬を払うと事業者の利益はその分圧縮される。だから士業として淡々と手続きをサポートするだけではダメだ。
たとえば、新しい情報やビジネス拡大のサポート、補助金の情報など、収益面で事業者を支えることが士業で成功する秘訣かもしれない。
正直、ドキッとしました。
「行政手続を正確にやれば十分だ」と思っていた自分が、恥ずかしくなったのです。
社長によると、仲間の中には行政手続きを自分たちでこなす事業者も増えているとのこと。けれど、現場を抱える職人社長にとって、書類仕事は夜の負担になる。だからこそ、士業が+αの価値を提供できれば、そこに存在意義が生まれるのだと。
人として尊敬できる方
お話の中で、十数年前にお父様を亡くされたことを伺いました。
「親孝行したいと思ったときに、もう親はいないものだ。今のうちに親孝行したほうがいい。」と優しく言われ、その表情に深い思いを感じました。
最後に「頑張って。応援しているよ」と声をかけていただき、胸が熱くなりました。
…ただしその夜、ビール・酎ハイ・日本酒をちゃんぽんした結果、翌日は見事な二日酔いに。
まとめ:信頼は“行動”の積み重ね
この夜の出来事で学んだのは、信頼関係は偶然では生まれないということ。
「また会いたい」「話してよかった」と思ってもらえる行動を重ねていくしかない。
それが、開業したての行政書士にとって、最初に学ぶべきマーケティングなのかもしれません。






