建設業許可ガイド

【建設業許可編】「受付番号があれば受注できる」は誤解です|許可が下りるまでの注意点

熊本で建設業許可を代行する行政書士の説明

🏗 はじめに

建設業許可の取得を急ぐ理由として、「元請からの発注条件にされている」というケースはよくあると思います。
今回は、まさに「1日でも早く許可を取りたい」という相談者のお話。

しかし、許可の“受付”と“取得”の違いを理解していないと、トラブルのもとになります。

💬 相談者とのやりとり

相談者:「元請から『許可を取ってくれないと発注できない』と言われていて、1日でも早く許可を取りたいんです。」
行政書士:「分かりました。できるだけ急ぎましょう。」

➡ 無事に申請書類をとりまとめて、行政庁へ提出。受付番号も取得。

相談者:「これで大丈夫ですね?受付番号があれば、発注を受けても問題ないですよね?」
行政書士:「いえ、受付番号があるだけでは工事は請け負えません。正式な許可が出るまで、500万円以上の工事を請け負うことはできません。」
相談者:「えっ、そんな話は聞いていない……。行政庁の審査にはどのくらいかかるんですか?」
行政書士:「標準処理期間は1ヶ月程度です。」
相談者:「困ったな……。」

⚠ 許可申請の“受付”と“取得”の違いに注意

建設業許可は、「書類を出して番号がもらえた=許可された」わけではありません。

行政庁が審査を行い、正式な許可通知書が交付された日からが許可の効力発生日です。

✅ 許可前に受注できない工事

  • 500万円(税込)以上の工事
  • 建築一式工事の場合は1,500万円(税込)以上

📌 たとえ元請との信頼関係があっても、許可が下りる前に契約を結ぶことはできません。

📅 申請から許可取得までのスケジュール感(目安)

項目目安期間
申請書類の作成1〜1.5ヶ月
行政庁での審査期間約1ヶ月
許可通知書の交付業務着手から2〜2.5ヶ月

➡ トータルで 2ヶ月半程度 を想定するのが安全です。

📌 まとめ

  • 受付番号があっても、それは「申請中」というだけで、工事受注の許可証明にはなりません。
  • 申請前に「いつから工事を受けてよいのか」を、相談者と初回面談時に明確に共有しておくことが大切です。
  • 元請との契約タイミングをめぐってトラブルにならないよう、スケジュールを書面で共有しておくのもおすすめです。

👷‍♂️ 最後に

「申請して安心」ではなく、「許可が下りてからがスタート」です。
不明点がある方は、ぜひ一度ご相談ください。現場目線で、誠実にサポートいたします。