🏗 はじめに
建設業許可の人的要件のひとつである「経営業務管理責任者(経管)」。
経験の疎明として、「過去に法人の役員だった」という実績は非常に有力な根拠となります。
ところが、その“つもり”が思わぬ落とし穴になるケースもあります。
💬 事例
相談者:「父が経営する建設会社(法人)で、5年ほど役員をしていました」
↓
行政書士が登記簿謄本を取得して確認したところ…
登記簿の役員欄には相談者の名前がない。相談者:「父から“役員にした”と言われていたのですが、登記はしていなかったようです。なんとかなりませんか?」
❌ 結論:登記がなければ“役員”ではない
法人の役員経験を経管の根拠とするには、法的に「役員」であることが客観的に証明できる書類が必要です。
➡ 登記簿謄本に名前がなければ、行政庁に対して“役員だった”と証明することは困難です。
✅ 登記簿は最重要資料!
- 「役員経験あり」として申請する場合、登記簿謄本に名前があることが大前提
- 登記されていない役員は、たとえ実務に深く関わっていても法的には“役員ではない”
- 行政庁は“事実”ではなく“法的な証拠”で判断します
📌 よくある落とし穴:家族経営あるある
とくに家族経営の建設業者では、「実質的に経営に関与していた」ケースが多く見受けられます。
- 「父の会社で会計や現場管理をやっていた」
- 「社内では常務取締役と呼ばれていた」
- 「役員報酬も受け取っていた」
➡ これらは重要な実務経験ではあるものの、登記がなければ“法的な役員”ではないと判断される可能性が高いです。
✨ 未来のために|親子で会社を営む方へ
今後、子どもが独立して建設業許可を取得することを見据えるなら…
👉 必ず「役員登記」を行っておきましょう!
- 法人の登記事項変更は法務局で可能
- 形式的な登記でも、許可申請の際に強力な根拠となります
✅ まとめ
- 経営業務管理責任者としての“役員経験”は、登記簿謄本に名前が載っているかが重要
- 家族経営では「実質役員」であっても、登記がなければ証明できない
- 将来的に許可取得を目指すなら、早い段階で役員登記をしておくことが肝心です
📣 行政書士のひと言
「親子での経営でも“登記”は忘れずに。あとから取り返しがつかないケースもあります。ご相談はお早めに!」