建設業許可ガイド

【都道府県をまたぐと大臣許可?】営業所の場所で変わる建設業許可のしくみ

熊本で建設業許可を代行する行政書士の説明

🏗 はじめに
💬 相談者:「営業所が複数の都道府県にある場合、なぜ大臣許可が必要なんですか?都道府県知事じゃダメなんですか?」
このような疑問を持たれる建設業者さんは少なくないと思います。
確かに、法令は全国共通なのに、なぜ知事許可では足りないのでしょうか?
今回はその背景を、行政庁の視点からわかりやすく解説します。

✅ 許可の区分をおさらい

まず、建設業許可には次の2つの区分があります。

区分要件
都道府県知事許可営業所が1つの都道府県内にある場合
国土交通大臣許可営業所が複数の都道府県にまたがる場合

つまり、営業所が2県以上にある時点で、大臣許可が必須になります。

🤔 なぜ「都道府県知事」ではダメなのか?

この点を、例えば「A県知事」の立場で考えてみましょう。

  • A県内の営業所は問題なし。でも…
  • 許可対象の業者にはB県にも営業所がある。
  • B県の事情やローカルルールを自分(A県知事)は把握しきれない。

➡ もし自分だけで許可を出すとなると、B県の判断基準とズレが生じる可能性がある。

🚧 ローカルルールの存在

建設業許可の基準は、法律上は共通ですが、実務運用には都道府県ごとの“慣行”や“基準の解釈の違い”があるのも事実です。

  • 書類の取り扱い方
  • 経営業務管理責任者(経管)や専任技術者(専技)の証明方法
  • 補正や指導のスタンス

➡ こうした違いの中で、1つの都道府県知事が複数県にまたがる営業所を審査・許可するのは現実的にかなり難しいのです。

🏛 大臣許可=「全国レベル」での公平性を担保

そこで、建設業の本来の所管官庁である国土交通大臣が許可権者となることで、

  • 各都道府県の基準に左右されない
  • 全国共通のルールで審査・許可が行える
  • 二重基準(ダブルスタンダード)による混乱を回避

➡ 全国レベルでの一元的・公正な運用が実現するわけです。

✨ まとめ

  • 営業所が複数の都道府県にある場合は、大臣許可が必要
  • 各都道府県の知事が他県の事情まで審査するのは非現実的
  • 大臣許可は「全国共通基準」での公平な審査を担保するための制度

不明点や、大臣許可に該当するかどうかの確認などがあれば、お気軽にご相談ください。
行政書士として、あなたの営業所の状況に合わせた適切な申請をご提案します。