🏗 建設業を営む会社には、本店と支店が異なる県にあるケースも少なくありません。
その際、「知事許可で大丈夫なのか?」「大臣許可が必要なのか?」と悩む方も多いのではないでしょうか。
今回は、建設業法上の営業所の考え方と、許可区分や専任技術者の配置についてわかりやすく解説します。
💬 相談事例①:福岡本店と熊本支店があります
相談者:
「福岡県(本店)と熊本県(支店)があります。
会社は製造業と建設業を営んでおり、建設業は本店、製造業は支店で行っています。
この場合、特定建設業の許可は必要ですか?」
✅ 回答:熊本支店が建設工事に関与しないなら「営業所」ではない
建設業法上、営業所とは…
「常時、建設工事の請負契約を締結する事務所」と定義されています。
➡ よって、熊本支店が製造業のみを行っており、建設工事の契約・管理などに関与しないのであれば、建設業法上の営業所には該当しません。
この場合、本店のある福岡県の知事許可で足ります。
💬 相談事例②:熊本県内に工事の詰所を作って活動予定です
相談者:
「熊本に建設工事の現場に出入りしやすいよう、詰所を設けました。
PCや電話を設置し、顧客との打ち合わせや営業活動も行う予定です。」
⚠ 詰所でも営業所に該当する可能性あり!
形式的には「詰所」でも、実態として以下のような行為があれば、建設業法上の営業所とみなされる可能性があります。
- 顧客との打ち合わせ
- 工事契約の締結・見積対応
- 現場管理の起点として使用
➡ このような実態がある場合、熊本の詰所も営業所と判断され、大臣許可が必要になります。
💬 相談事例③:熊本の詰所に専任技術者がいません
相談者:
「熊本の詰所が営業所に該当する場合、専任技術者を配置しないといけませんか?
実は、該当する人材がいません。」
🚨 結論:専任技術者がいなければ、その営業所で活動できません!
営業所には、必ずその場所専属の専任技術者の配置が義務付けられています。
熊本に専技がいない状態で営業活動を行うと、建設業法違反に該当する可能性があります。
➡ 人員の準備が整うまでは、該当拠点での営業活動は控えるべきです。
✨まとめ
- 建設業法上の「営業所」とは、建設工事の契約・管理を常時行う拠点を指す
- 営業所が複数の都道府県にまたがる場合は、大臣許可が必要
- 営業所ごとに専任技術者の配置が必須
- 形式ではなく、実態ベースで判断されるため「詰所」でも要注意!
🧭 営業所や許可区分の判断に迷ったら、早めに行政書士にご相談を。
営業所を新設する前に、「ここは営業所に該当するか?」という視点が重要です。