こんにちは、現役公務員のシンです。
令和7年度、行政書士として開業する予定です。
先日、税理士事務所を経営している友人とお酒を飲みながら、士業として仕事をしていくうえで、とても大切な話を聞きました。これは、これから行政書士を目指す方にもぜひ共有したい内容なので、自分自身の備忘録も兼ねて書き残しておきます。
士業が意外とおろそかにしがちなこと
税理士の友人が言うには、士業としての専門知識や実務スキルはもちろん大事だけれど、それ以前に「相手への気配り」ができていない人が多いとのこと。特に、次のようなポイントは見落とされがちなんだそうです。
- 顧客が「いつまでに」その手続きや回答を求めているのか、確認していない
- 顧客が「なぜ」その手続きを必要としているのか、理由を聞かない
- どれくらいの「予算」があるか、聞いていない
- 質問されたときに、「いつまでに」返答するかを伝えていない
- 「難しいから」と、わかりやすく説明しようという努力をしていない
こういった基本的なことを丁寧にできるかどうかで、顧客との信頼関係は大きく変わってきます。
たとえば、建設業の許可を依頼されたとき。
「許可が下りるまで2ヶ月くらいかかりますよ」という説明をせず、「まあ分かるでしょ」と思って放置していたら、顧客は「え、2週間くらいで終わると思ってたのに!」と困惑するかもしれません。
それだけで、信頼を失い、「もうこの人には頼みたくない」と思われてしまう可能性すらあります。ましてや、他人に紹介してもらうなんてことは望めません。
実務スキルだけじゃない、「誰かのために動く力」
これから行政書士を目指す方の中には、
「自分なんかに行政書士なんて務まるのかな…」
「こんな大それた仕事を始めていいのかな…」と、不安になる人もいるかもしれません。
でも、そんなときは思い出してほしいのです。
士業として成功するかどうかは、半分以上、「人としての基本ができているかどうか」にかかっているということを。
・相手の話をしっかり聞く
・丁寧に説明する
・約束を守る
・不安を減らし、喜んでもらえるよう努める
当たり前のことですが、だからこそ大事。
そしてそれができれば、すでにスタートラインには十分立てているはずです。
「◯◯ができる行政書士」を目指すという視点
友人からは、次のようなアドバイスももらいました。
「行政書士の資格だけで勝負するのは、レッドオーシャンだよ。」
確かに、許認可手続きのプロとして仕事をするのは行政書士の本業ですが、それだけではなかなか報酬のコントロールが難しい場合もあります。
そこで、例えば:
- FP(ファイナンシャルプランナー)×行政書士
- 宅建士 × 行政書士
- キャッシュフローコーチ × 行政書士
といったように、「プラスαの価値」を提供できる行政書士を目指すと、報酬設定もしやすくなるという考え方です。
実際、建設業のクライアントにとっては、決算書の見方がよく分からないという方も多いはず。そこに対してちょっとしたアドバイスができるだけでも、ものすごく喜ばれますし、他の士業との差別化にもつながります。
報酬の価格設定も「自信」と「価値」で変わる
「経験がないから安くするしかない」
そんなふうに思っている方も多いかもしれません。かつての私もそうでした。
でも、友人はこう教えてくれました。
「たとえ新人でも、ベテランと同じかそれ以上の金額でいい。
ただし、その金額に見合う“理由”をちゃんと説明できればね。」
たとえば、報酬15万円のベテランが「申請して終わり」であるのに対し、私は「次回の更新時期が近づいたら必ずご連絡します」とアフターフォローまで徹底すれば、報酬20万円をいただいてもお客様にはむしろ安心してもらえる。
つまり、「付加価値をどう作るか」が重要なんですね。
最後に:あなたは、もう一歩を踏み出していい
もし今、あなたが「自分にはまだ早い」とか「もっと勉強してからじゃないと」と感じているのだとしたら、それは決して間違っていません。ですが、少しだけ立ち止まって、こう考えてみてください。
専門性はこれからいくらでも磨ける。
でも、相手のために誠実に動く力は、もうあなたの中にあるかもしれない。
私もまだ道半ばの身ですが、だからこそ、同じように不安を感じているあなたにエールを送りたいと思います。
一緒に頑張っていきましょう。